セキュリティのリスクを減らすにはまず、原因を知る必要があるといえます。セキュリティリスクの原因は多岐にわたりますが、その1つとして脆弱性を挙げることができます。脆弱性はシステムのどこにでも潜んでいる可能性があり、発見されていないだけで後々になって存在が分かることも珍しくないです。つまり、脆弱性は潜在的に存在しているもので、そう仮定してセキュリティ対策を行う必要があるわけです。
原因が分かっているものを対策するだけでも、セキュリティのリスクは減って信頼性が増します。原因の特定に役立つのはセキュリティ診断で、セキュリティ対策ツールやセキュリティ対策ソフトを使う方法が有効です。セキュリティ対策ツールは、既知のセキュリティリスクを調べたり、脆弱性の対策が行われているかをチェックするものです。対策が不十分であればその点を指摘したり、想定されるリスクを提示して対策を促します。
セキュリティ対策ソフトは、既知の原因だけでなく、未知の原因に関しても対策することができます。これはセキュリティの問題に繋がると判断される状況が発生した場合に、未然に問題の発生を防ぐといった動作をします。セキュリティ対策ツールにも似たようなところはありますが、リアルタイムに通信やプログラムのプロセスを監視するセキュリティ対策ソフトは、より広く潜在的な問題にも対応します。ただ、疑わしい通信やプロセスを止めたり、ユーザーに判断を仰ぐような動作をするので、誤検知によって安全な通信やプロセスまでも止まってしまうことがあります。
しかし安全寄りに振るセキュリティ対策なので、こういう事態が発生されることは想定内です。事前に不正アクセスや情報漏えいの穴がないか確認する診断ツール、プロセスを監視して疑わしいものを止めるセキュリティ対策ソフト、これらを組み合わせると強力です。脆弱性はシステムの設計ミス、コーディングのミスに何者かによる意図的な弱点の混入など、発生する可能性はどこにでもあります。
設計はあらゆる可能性を考えて行われるものですが、人が考えて作る以上はミスを0にするのが難しいです。近年はAIを使ってソースコードを精査したり、テストを行って原因の特定や問題に対処する取り組みが注目を集めています。コーディングミスはプログラマーによるもので、設計に問題がなくても起こり得るものです。このように、設計開発の段階で問題の原因が発生する可能性がありますから、ユーザーはセキュリティ診断で対処したり、対策することが重要だと分かります。