ネットワークを介してサービスを提供するeコマースでは、常に悪意や攻撃のリスクに晒されているといえます。個人情報が漏洩したり、漏洩が発覚しなくても被害に遭った事実が判明すれば、顧客を始めとした社会的な信用が低下してしまうでしょう。セキュリティ対策の基本は、オンライン上のリスクやシステムの脆弱性を徹底検証した上で、あらゆる脅威を想定して備えることです。また、初歩的な設計のミスから脆弱性が生まれることもありますから、二重三重にチェックする管理体制が重要となります。

オンライン上のデータベースにアクセスするタイプの機能は、設計の問題が隙を作り、やがてシステムのリスクとして潜みます。徹底的に対策をしているつもりでも、未発見の脆弱性や設計ミスが発覚することもあるので、eコマースに完璧はないと理解することが大切です。eコマースに限らず、ネットワークのセキュリティリスクは、アクセスの母数を抑えることで減らせるものです。

例えばアクセスを国やIPアドレスで制限したり、怪しい動きのユーザーを自動的に弾くのもありです。管理機能へのアクセスについても、ユーザーの制限がリスクを抑えるのに役立ちます。しかしいくらサービスの提供側で対策しても、アクセスするユーザーがセキュリティリスクを抱えていては、そこから被害が及ぶ可能性があります。ネットワークにはいわゆる踏み台と呼ばれる攻撃手法があって、第三者を介してターゲットに攻撃を加えるケースが存在します。そのようなタイプの攻撃は、一見無害そうに見えるユーザーを経由して到達するので、セキュリティシステムの導入などで常に備えることが重要です。

セキュリティシステムとは元々住宅の総合的な防犯システムのことで、防犯カメラやセンサーなどを駆使して異常を察知する仕組みです。eコマースでも、同様の考え方は既に重要性が認知されたり広まっていて、異常を検知して管理者に知らせたり、自動的に対応を取るセキュリティシステムが注目を集めます。eコマースおける決済方法には、クレジットカードや銀行振込にコンビニ決済、代金引換といった定番が並びます。クレジットカードは導入に審査が必要で、セキュリティ対策に不備があると導入が難しくなります。

近年は、電子決済サービスの増加や普及も無視できませんから、導入を検討する場合はこちらの対応も必要です。利用料は掛かりますが、これらの決済方法を提供する代行サービスの利用も選択肢に加えられるでしょう。ただアカウントや個人情報を取り扱い管理をすることは避けられないので、仮に決済部分を代行してもらうにしても、セキュリティ対策は万全に備えることが求められます。